夢のシーン。
さくらが海で何かをざるで洗っている。
家で何か声がして振り向く。
福井県福井市長橋町の海岸。
近くに長橋漁港がある。
海岸は整備され激変している。
福井県福井市長橋町18付近
2013年6月訪問
さくらと博が親方に借金返済を待ってもらえるよう頼んでいる。
石垣がわずかに当時の雰囲気を残している。
「車寅次郎」が登場する。
札束を借金取りに向かって放り投げる。
借金取りたちが帰っていく。
寅さんの後ろに映る小さなクリーム色の建物が現存している。また、山の形は一致。
このロケ地は寅友・寅増さんが発見された。
木造の駅舎で夢から覚める寅さん。
駅員さんから「お客さん乗りますか?」と声を掛けられる。「すまねえ、すまねえ」と言いながら列車に乗り込む。
かなひら、と平仮名で駅名が書かれている。
尾小屋鉄道の金平駅。
本編では横に走る道路を農家の方が歩いているが、その道路が確認できる。
石川県小松市金平町尾谷
2013年8月訪問
寅さんを乗せた列車が金平駅を出発する。
1977年に廃線となった軽便鉄道・尾小屋鉄道。小松市の尾小屋鉱山の鉱山鉄道として1920年に開通し、小松から尾小屋の全16.8kmを結んでいた。
山の形が一致し、線路の跡を感じることができた。
こちらは1975年の航空地図。
(廃線となる2年前)
黒い線に線路があり、金平駅と寅さんが夢から覚めた駅舎が確認できた。
「男はつらいよ」の素晴らしさの一つは、こうした今はなき鉄道と風景が映画の中に保存されていることだ。
ひと気は無く、線路も駅舎も無い場所だったが、確かにここに寅さんはいたのだ。
林不動産。
とらやの入口にぶら下がった「貸間あり」の札を見て、「もうお前の住むとこはないよ~」と読めたという寅さん。
「もうちっと落ち着くとこ手前で探さ~」
寅さんがやって来たのは隣駅・金町駅の駅近くにある不動産屋。寅さんは半年ほど前(第8作)、すぐそばでバイをしてお巡りさんに取り締まられた。
東京都葛飾区東金町1-45-2
2021年11月訪問
林不動産の内部はセットでの撮影。
寅さんが店内にいる時に映る、林不動産の目の前は現在こうなっている。
林不動産では「あなたのような柔らかいご商売ですとね~」と寅さんに困った様子の林不動産の人が、「浦安かどこかないかね?」と従業員に聞く。
浦安は寅さんにとって約2年前に豆腐屋で働いていた場所。源ちゃんに仕事を押し付けて逃げ出してきた土地だ。
金沢。
石川県金沢市の俯瞰となるこのカット。遠くの丘の上に立つ金沢大学、手前の川の位置関係から、この付近であることを特定した。
木々で風景が隠れてしまうため、少しずらして撮影。川向うにある大きな木の左側の家が当時と一致する。
石川県金沢市常磐町10-1
2013年8月訪問
中屋薬舗をのぞいている3人の女性。
中屋薬舗は、金沢市南町にある中屋三井ビルディングにあったが、1987年にこの地に移転・復元された。
本編に映るのは、中屋三井ビルディングにあった中屋薬舗。
こちらは文化財的に価値がある外観を保存するために移転・復元した現在の老舗記念館。
石川県金沢市長町2-2-45
2013年8月訪問
屋敷の壁、用水路。
長町二之橋付近が高羽アングルのピンポイント。長町武家屋敷跡そばの大野庄用水。
ほぼロケ当時のままの雰囲気が残る。
石川県金沢市長町1-3付近
2013年8月訪問
記念撮影する人。
先ほど中屋薬舗にいた女性3人が歩く。
この女性たちは歌子たち。
長町武家屋敷跡。
この前のカットの二之橋を入ってすぐのあたりがロケポイント。
柴又で寅さんのひと騒動があって地方へ飛んだのに先に寅さんではない人物が出てくる珍しいパターン。
兼六園の霞ヶ池。
内橋亭からの撮影。
向かい側に映っている売店は地蔵堂近くの売店。
歌子たちは昼食に蕎麦を食べたようだ。
訪問時、池の水は無かった。
このあたりは金沢の観光地が続々出てくる。
石川県金沢市兼六町1-22
2013年8月訪問
万清亭の前の歌子たち。
一つ奥が東山。
江戸町通りの万清亭前。
歌子たちが手前に歩いてくると、写真右隅にある木の下で寅さんがバイをしている。
石川県金沢市兼六町1-17
2013年8月訪問
バイをする寅さん。
歌子たちが階段を降りていく。
歌子たちは階段を降りると、目の前に金沢城が見えてきたはず。
階段の下は下坂、そしてお堀通り。金沢城がある。
この後、寅さんと同宿となるわけだが、そちらとは逆方向。まだ日も明るいので、この後も観光やお土産を見に行ったのだろう。
夕闇迫る時間、とぼとぼと歩く寅さん。
犀川大橋のたもと。蛤坂の一番下。
柴又での失言を引きずっているのか、バイが今一つだったのか。バイをしていた場所からここまでは歩いて約20分。
石川県金沢市野町1-1−1
2013年8月訪問
※この後、登場する寅さん、登、歌子たちが宿泊する「旅館 百山」については、未確定のため、掲載を控えます。
再度の現地での調査を踏まえて、掲載していきたいと考えています。
翌朝。宿からの犀川大橋。
宿で2年ぶりに登と再会した寅さん。
登は京都の政吉親父に義理があると先に宿を後にしてしまった。2年前、寅さんと登が会いに行き、札幌で亡くなったのは正吉親分。
犀川大橋付近の風景は大分変った。マンションが増えている。
2013年8月訪問
福井。
永平寺の門前町。
本編に映る山光ホテルは右側に大きな看板を今も構えている。
金沢から電車を乗り継いで約2時間というところ。
福井県吉田郡永平寺町志比5−10−1
2013年8月訪問
永平寺の龍門。
歌子たちが参拝を終えて出てくる。
門前のてらぐち。
高羽アングルのピンポイント。
でらぐちの駐車場に車を停めて、蕎麦をいただいた。
福井県吉田郡永平寺町志比5−17
2013年8月訪問
歌子たちが線路の上を歩く。
京福電鉄永平寺線の荒谷踏切付近。
2002年に廃止となり、現在は線路跡を永平寺参ろーどという遊歩道となった。
本編に映る左に流れる永平寺川にかかる橋、踏切跡と364号線が交差するのはこの場所ということで特定できた。
歌子たちは写真奥の永平寺から歩いてきた。
福井県吉田郡永平寺町荒谷37-10
2013年8月訪問
戸枝屋の前。きょうぜんという駅のプレートの前で歌子が花を眺めている。
永平寺線の京善駅。
廃線となり現在は遊歩道となっている。
戸枝屋も取り壊されている。
歌子たちは永平寺から約3km歩いてきたようだ。
福井県吉田郡永平寺町京善
2013年8月訪問
寅さんが歌子たちに味噌田楽をご馳走する。
歌子たちは記念に寅さんといっしょに写真を撮る。「はい、笑って~」。
京善駅方向から永平寺方向を映す。
遊歩道にかつては線路があった。
ロケ当時、永平寺線は東古市駅(現・永平寺口駅)から永平寺駅を結んでいた。
「バタ~」
「あ、俺、バターって言った?間違えちゃった。チーズだったね」
歌子たちを爆笑させる寅さん。
元はといえば奈良で御前様が間違えたものだが、さくらと博の結婚式で使ったネタ。今回は本当に間違えた?
この空き地に駅舎があった。
こちらの方向は東古市駅(現・永平寺口駅)方向。
東尋坊で記念撮影をする寅さんと歌子たち。
「バタ~」
寅さんたちが立った岩場も残っている。
この後、本編の次のカットで映る所へ行くのは、ちびとらが小さかったこともあり断念した。いつの日か、再訪したいと思う。
石川県坂井市三国町安島64-1-9付近
2013年8月訪問
寅さんが歌子たちを驚かせる。
越前松島の観音堂。
歌子たち以上にちびとらにとっては怖かったようだ。ロケ地で怖くて泣いたという思い出に残る場所。
福井県坂井市三国町梶38−37
2013年8月訪問
カップルの女性が岩から降りようとして男性が手を貸している。応援する寅さん。
観音堂への道の途中。
駅のホームに福井行きの列車が停車している。
歌子たちを見送る寅さん。
東古市駅。現在の永平寺口駅。永平寺駅までを結ぶ永平寺線の始発駅であったが、既に書いたように2002年に廃線。現在は、福井駅と勝山駅を結ぶえちぜん鉄道勝山永平寺線の駅。
楽しい観光地でのひと時は終わり。今作で数多く登場するローカル線の駅のシーン。
福井県吉田郡永平寺町東古市
2013年8月訪問
寅さんが歌子たちを列車の中にいるように勧める。
本編を良く見ると、列車の奥に右にカーブしていく線路がある。廃線となった永平寺線の線路だ。
写真でも確認できるが少しだけその線路が残っていた。
歌子は寅さんにお礼をいい、記念に鈴を贈る。
寅さんは「どうせ大した給料もらっちゃいねえんだろ。駅で弁当でも買ってくれや」と歌子にお金を渡す。
「寅さん、さよなら」
「さよなら、寅さん」
「ありがとう」
「元気でね」
歌子たちを乗せた列車が走っていく。
「気を付けて帰るんだよ」
「はぁ。行っちまったか」
また独りとなった寅さん。
さらにお金も無くなってしまい、歌子からもらった鈴を鳴らして、とぼとぼと駅のホームの階段を降りる。
駅を出て大衆食堂の前を歩く寅さん。
東古市駅(現・永平寺口駅)の駅前。
駅のシーンのファーストカットの高羽カメラピンポイントから踏切を渡って反対側になる。
ファーストシーンでも映る内山医院側。
大衆食堂は無くなっているが、電柱や電話ボックスなどがロケ当時の雰囲気を残している。
福井県吉田郡永平寺町東古市1-2付近
2013年8月訪問
歌子が柴又に宛てた手紙のナレーションバック。
歌子が煙草を吸っている窯場の人と挨拶する。
岐阜県多治見市。
手紙の差出人のところには、愛知県春日井市となっているがロケは多治見で行われた。
2年後に寅さんと歌子は津和野で再会するがその時は「多治見」と言っている。
岐阜県多治見市
2015年12月訪問
「ところで、寅さんはどうしているでしょうか」
「私、とっても寅さんに会いたい。今頃、どうしているでしょうか」
歌子の手紙が続く。
※撮影したワイドショットの写真をトリミングして本編映像に近づけました。多少不明瞭ですがご了承ください。
住所非公開 ※マップにも非掲載
木造の橋を歩く寅さん。
蝉の鳴き声。川の音。
暑い夏の日、寅さんが歩いていたのは、岐阜県瑞浪市土岐町の土岐川にかかる橋。
現在は橋は少しだけ下流(南西方向)に移動してコンクリートの橋となっている。
寅さんは歌子を訪ねて多治見に行き、その後、この地を歩いていたのだろう。
岐阜県瑞浪市土岐町4213付近
2012年8月訪問
寅さんが橋を渡ってくる。
こちらの写真は2度目の訪問時のもので、橋を上の写真の反対側から映した。
山の稜線と電柱くらいしかロケ当時を思わせる物証はない。
2015年12月訪問
「おい、兄さん。ケツちゃんと拭いたか?」
河原で登が用を足している。
寅さんが登に声をかける。
土岐川の水量や流れが変わっているため、かつて川が流れていたあたりには水草が生い茂っている。
2012年8月訪問
登が「兄貴!こんなとこで何してんだよ!」と言いながら河原を上がってくる。
「野糞してたんだよ」と手を貸す寅さん。
ペプシコーラが急停止。
寅さんと登がトラックに乗りこむ。
河原の土手の家は屋根や瓦がロケ当時のままに残っている。
ただ、土手の道路が拡張されたため、河原側からの見え方は変わっている。
2012年8月訪問
ラストシーン。
寅さんと登を乗せたトラックが木造の橋から発進する。
汽笛がなって列車が走る。
列車は中央本線。
瑞浪駅方向に向かっている。
岐阜県瑞浪市土岐町4212
2015年12月訪問