第39作「寅次郎物語」のオープニング。
寅さんが旅していたのは茨城県常総市。今回は意外と東京・柴又から近い所でした。
駅前広場でボール遊びをする子どもたちがいてローカル線の雰囲気を残す常総鉄道の中妻駅。
この駅の待合室で目覚めた寅さんは、駅員さんから「電車来ますよ」と声をかけられます。
そして寅さんは線路を渡り、ホームには常総線が入ってきます。
ここでメインタイトルバックが入ります。
これは当然、中妻駅でのロケと思ってしまいます。
ちびとらも2009年5月に中妻駅を訪れ、撮影をしました。(※左写真)
ホームは相対式2面2線となっていたが、ホーム、駅の形状が変わったのだと思ってきました。
ところが!
このロケ、トリックだったのです!
今回、ちびとらのサイトをご覧いただいていた「JJさん」から大変貴重なメールをいただきました。
JJさんは、中妻駅を訪れる前に常総市フィルムコミッションのHPを見ていたそうですが、そこにはロケ地として中妻駅と並んで三妻駅が記載されていたそうです。
2001年(平成13年)まで | 常総市観光物産協会公式ホームページ (joso-kankou.com)
その後、実際に中妻駅を訪れ、違和感を感じられて、常総市に問い合わせをされたそうです。
常総市の職員の方からは、「中妻駅では近隣に住居や建物があり田舎の駅のイメージに合わない。田舎の駅の風景を撮りたかったので当時は駅の近くに住居が少なかった三妻駅で撮影することになった。」という回答を得られたそうです。
JJさんの観察力、行動力に驚かされるとともに、情報提供に心より感謝致します。
そして、この情報のおかげで、メールをいただいてから約2週間後、ちびとらも遂に寅さんが常総線に乗りこんだ三妻駅を訪れることができました!
今回、現場に行くことで物証も見つけることができました。
寅さんが線路を渡るその先、ホームの奥(ホームの待合室の奥)に見える建物が今も残っていました!(※左の写真ご参照)
やはり現場に行くことは大切ですね。
第39作のメインタイトルバックは中妻駅ではなく、三妻駅だったのです。
寅さんが乗りこんだ列車は下りの石下・下館方面行き。
ちびとらが三妻駅にいる時にちょうど下りの列車が入線してきました。列車は新しいタイプになっていました。
その後、上りの守谷・取手方面行きの列車も入線してきたので撮影しました。
こちらはロケ当時の車両と塗装が同じでした。
こんなことを考えてしまいました。
寅さんは、中妻駅で夢から覚めて、駅員さんから電車が来ることを知らせてもらったのですが、乗り遅れてしまったのでしょうか?
そして、次の電車が来るまでに隣の三妻駅まで歩いて、電車に乗ったのでしょうか?
さらに、その後、常総橋を渡っているので、下りの電車に乗ると逆方向です。
もしかすると板橋不動尊でのバイの準備のために下りの電車に乗ったのかもしれませんね。
15年を経て、本当のロケ地へ行くことができた楽しい訪問になりました。
JJさん、ありがとうございました。