第30作で三郎青年が母・ふみを供養するのが大分県杵築市にある養徳寺です。
ちびとらが養徳寺を訪れたのは、九州を旅した2018年8月でとても暑い日でした。
ロケ地の旅 第30作のページで、おふみさんの墓の位置などの詳細を紹介していますのでご覧いただけましたら幸いです。
養徳寺への訪問では、三郎青年が車で養徳寺を後にするシーン(寺の最後のシーン)の高羽アングルのピンポイントを新発見することも目標にしていました。
養徳寺では、ちびとらの突然の訪問にもかかわらず、快くご案内していただいただき、ロケ当時の貴重なお話も聞くことができました。
さらに本編に関わる面白いエピソードもうかがいました。
本堂にご案内いただいたので、本編のキャプチャ画像をお見せすると、ロケのことを懐かしそうに思い出されていました。
三郎青年が車で寺を後にするシーンは、養徳寺でロケが行われたそうです。
ロケ地の旅のページにも掲載していますが、ほぼこのアングルが本編の高羽アングルとなります。
もう少しカメラ位置は後ろに下がった所になるかと思いますが、現在は撮影が難しくなっています。
ちびとらの立っている目の前に通路があり、三郎青年の白い車が停まっていました。
木々が成長して見えづらくなっていますが、右側に屋根があり、それが本編に映る養徳寺の本堂です。
本編には手前で農作業をする人が映っています。
このことを聞くと貴重なエピソードが!
この畑は大根畑で、映っているのは寺に住みこみされていた方だったそうです!
「源ちゃんみたいな方だったんですね!」とお話ししました。
そして、三郎青年の車の奥に映っている鐘楼。
こちらは現在は取り壊されています。
こちらの写真の右側に土台があるのが確認できます。
鐘楼があったのはその場所になります。
ですので、石垣の右側にある道に三郎青年の車が停まっていたわけです。
三郎青年が車で寺を後にするシーンは、ここでロケが行われていたことが証言と物証で確定しました。
また、養徳寺を含めて、ロケのお話が紹介された大分の新聞も見せていただきながら、貴重なお話が続きました。
三郎青年が養徳寺を出て、螢子と再会する前に道路に立っている黒い服の女性。
この方、養徳寺の住職の長女さんだったそうです。そして大切そうに持っていたバックは沢田研二さんの大ファンだった友人の方のものだったとのことです。
沢田研二さんの人気ぶりを垣間見ることができるエピソードですね。
そして、最後にとても面白いエピソードが!
養徳寺での三郎青年の母・ふみの供養のシーンに出ているのは、養徳寺の住職さんだったそうなんです。顔も本編で少し映ります。こちらのシーン、本物の住職さんが登場していたんですね!
一方、前夜の湯平温泉の湯平荘での供養では、寅さんが宿の主人に「坊主の知り合いいねえか?こっちの我がままを聞いてくれるような…」と言って、ふみに惚れていた坊主を呼んできます。
この坊主がお経を読んだわけですが、こちらを演じているのは殿山泰司さん。
寅さんがご焼香の際に間違って熱い抹香を触ってしまい、坊主に飛ばして螢子たちが大笑いする対照的なシーンがあります。
そして、殿山さんがお経を読むシーンですが、口を少しだけ動かしているのが映る正面からのシーンが短くあるだけで、他は後ろ姿などばかりです。
実はこのお経、養徳寺の住職さんが読んだお経だったそうです!
寺の方の証言を聞いて、その後、本編を見返してみて、音声をインサートしたのだと納得しました。
螢子たちが、「お経!どこかしら?この旅館よ!」と言っていましたが、その声は養徳寺の住職さんだったのです。