今年のGWの旅では、第47作の琵琶湖周辺を訪れた。約7年ぶりに2回目の訪問である。
前回は全く別の用事で行った際、合間にロケ地を回ったので菅浦、長浜のメインとなるロケ地を軽く回っただけであった。
ちなみに、第47作の琵琶湖周辺のロケ地については、寅友である小手寅さんがほぼ完ぺきに回られており、大変参考にさせていただくことができた。小手寅の地方ロケ突撃隊関西駐屯地
ただ、小手寅さんでさえもいくつか特定できていないロケ地があった。
その一つが長浜に到着した満男が先輩の家までの間に乗るタクシーの車窓の一つだ。
一瞬映るだけのこの長浜の街並みの場所が分からなかったのだ。
まず長浜駅から先輩の家までの道の付近一帯であることは間違いない。
そして当然、右側に映る「くすり」の文字が手がかりではある。
だが、既に付近の薬屋の周辺をストリートビューで探してみるもこの場所はなく、薬屋はなくなってしまっていると思えた。
そこで次の手がかりを探そうと画面を良く見てみる。
すると、タクシーが右折する際に小さな石碑が映っていることを見つけた。
車窓風景なので読みづらいが、わずかに一番上の文字が「北」と読める。
歴史に詳しい方ならピンとくるかもしれない。
そこで少し調べてみると、次のことが分かった。
ここ長浜にも通っていた江戸時代の要道、「北国街道」である。
米原から直江津までを結んでいたいわゆる北陸道を「北国街道」「北こく道」と呼んでいたのだ。
そうなると、後はかつての「北こく道」の道を辿っていけば見つかることは間違いがないが、ネット検索してみると、ありがたいことに「北こく道碑」について書いてあるサイトが見つかった。
私の場合、ほぼロケ地が特定できている場合、ストリートビューをあまり見ないようにしている。現地で発見した時の感動、頭に入っている本編の映像がロケ地の現場で蘇ってくるあの感覚、瞬間を味わいたいからだ。
そして5月3日、このロケ地を発見することができた。
長浜に着いて最初にこの場所を訪れた。
ちびとらが指を指しているのが手がかりとなった「北こく道碑」だ。
山田監督はシナハン、ロケハンの中でその土地の歴史や文化、伝統などをきちんと研究されて、何気ないシーンでもスクリーンの映像一つ一つに意味を付けている。
今回もその典型例の一つのロケ地発見だったと思う。